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ルポ・花巻―3(毘沙門天)
 

 (ゆいっこ花巻支部;増子義久)

 「毘沙門、転倒す」―。このニュ−スがいま、様々な波紋を伴いながら、静かな話題となっている。「3:11」ではびくともしなかった毘沙門天立像が4月7日、当地・花巻地方を襲った震度5強の余震でついに転倒、頭部や左腕、光背(こうはい)などが破損した。花巻市東和町にあるこの立像は国指定の重要文化財で、平安時代中期の作と言われる。一木造りとしては日本最大(4・73叩砲世辰燭海料が、高さ1辰梁羣造ら転げ落ちたのである。
 
 今から約1200年前、中央政府は征夷大将軍・坂上田村麻呂を東北地方に派遣し、先住民である「蝦夷(えみし)征伐」に乗り出した。蝦夷の首領・アテルイは最後まで頑強に抵抗したが、今の岩手県胆沢地方での最後の決戦に敗れ、延暦21(802)年に処刑された。以来、田村麻呂は北方守護神の毘沙門天の化身とあがめられ、あちこちの神社や寺に祀(まつ)られるようになった。

 「忘れはせぬぞ怨(うら)み千年/まつろわぬぞ/へつらわぬぞ」―。こんな詠唱を唱えながら、アテルイの子孫たちが積年の恨みを晴らす小説『毘沙門叩き』(平成22年10月刊)が今回の”転倒事件”と重なり合って色んな憶測を呼び起こした。この本の筆者は元朝日新聞記者の木内宏さん(71)。今回の報に接した木内さんはこんなメ―ルを送ってきた。

 「予想はしていたが、北方守護神も不死身ではなかったということですね。アテルイの末裔・ヒゲブンザ(小説の主人公)ならこう言うかな。…毘沙門はわしらにとって決して許すことができない怨敵、蝦夷の地・東北に災いをもたらした張本人と考えてきた。だが、わしら一族はその不忘の思いを心に灯し続けてきたからこそ、1200年の長い年月、こうして生き延びてこられた。毘沙門は怨敵ではあるが、同時にわれらの存在に欠かせない支えでもあるのだ。台座から落ちたくらいで滅びられては困る。早く傷を癒して復活することを祈る」

 木内さんはいま、『毘沙門叩き』の続編を書き進めている。田村麻呂とアテルイ、そして東北地方を襲った今回の大震災…。これらがどう絡み合って展開していくのか。その結末が今から楽しみである。

                   
 
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