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ルポ・大槌―2(ジャズ喫茶「クイーン」)
 

(5日大槌発=ゆいっこ花巻支部;増子義久)
町長など職員の多くが犠牲となった大槌町役場。その真ん前に岩手県最古のジャズ喫茶「クイ―ン」はあった。佐々木賢一さん(70)がこの地に店をオ―プンしたのは50年以上も前。以来、全国に名だたる岩手県のジャズ界の中心人物として君臨してきた。佐々木さんは間一髪で難を逃れたが、大槌町ジャズ愛好会の会長として佐々木さんを支えてきた菅谷義隆さんは行方不明のままだ。
5日、「クイ―ン」の現場に立った。建物の痕跡はすべてが消し去られ、どこから流れ着いたのか、ひしゃげた車2台がひっくり返っている。身を屈めるようにして探し物をしている男がいた。「レコ−ドのひとかけらでも残っていないかと思って…」と大久保正人さん(56)。隣家で不動産業を営み、自らもギタ―を引く音楽仲間だ。

あの時、大久保さんは自分の車に佐々木さんと自分の家族ら4人を乗せ、高台の避難所を目指した。途中、渋滞に巻き込まれたため、4人を車から降ろし駆け足で脱出するよう急かせた。寺の境内に車を捨て、自分も佐々木さんの後を追うようにして山を駆け上った。津波が背中に迫っているのを感じた。

佐々木さんと親交のあるサックス奏者の坂田明さんは5日付の朝日新聞に谷川俊太郎さんの詩「死んだ男の残したものは」(武満徹作曲の歌にもなっている)を引き合いに出しながら次のように書いている。

「そのなかに『死んだかれらの残したものは、生きてるわたし、生きてるあなた、他には誰も残っていない』とあります。生きているものが残らなければ、誰も残っていなくなる、ということではないでしょうか。生きているものが明日に向かって生きなければ、亡くなった人たちは報われようがなくなる気がします。そして誰が弔ってあげられるのでしょうか」

大久保さんとレコ−ドの破片を探していた時、携帯が鳴った。坂田さんからだった。「瓦礫(がれき)の中で菅谷さんの追悼と大槌の復興を願うジャズはどうかと思って…。受入れを準備してくれたらいつでも飛んでいくよ」。こんな時のジャズマンの反応は素早い。一関の老舗ジャズ喫茶「ベ−シ−」店主の菅原正二さんからは「全国の仲間から義援金を募ることにしたから」。ジャズファンの多い大槌の被災者たちは今から瓦礫の「復興コンサ−ト」を楽しみにしている。

義援金の振込先は「岩手ジャズ喫茶連盟」(浅野昌吾代表)
口座番号:岩手銀行花巻支店 普通預金:2072876

東日本大震災大槌町瓦礫の捜索作業の結果、数枚のCDとLPレコードが見つかった。
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